オフショア地域では、法人や信託を中心とする様々な国の会社や機関により商取引頻繁に行なわれています。しばしばオフショア金融センターと称されるこれらの地域は、低コストでの運営が可能、かつ信頼のおけるビジネスの場所を提供しています。事業活動や投資にオフショア地域を活用することの利点として下記のものが挙げられます。
資産保護:殆どのオフショア地域では、離婚、過失訴訟、破産等に関連する外国の裁判所からの民事命令の執行を認めずオフショアにおける資産は保護されています。
秘密の保持:殆どのオフショア地域では、銀行取引や会社の所有等の情報に関して強い法的保護がなされています。合法的な秘密の保持は確実に行なわれます。
節 税:殆どのオフショア地域では、その地域内の法人や信託からの収入や利益に関しては課税されません。オフショアに設立した組織を適切に活用すれば節税が可能です。節税のための正しい組織形成にはそれぞれの国における状況の詳細な検討が必要となります。従って、オフショアでの組成の前段階として、顧客が幣グループのタックス・プラニングの専門家および顧客の居住する国の税の専門家に相談されること勧めています。
ビジネス:オフショアで事業活動が行なわれるのは、多くの場合明確な理由があるからです。代理人(ノミニー)の組織を利用することにより、顧客は人件費や設備費の負担なしに現地に実質的な事業所を構えることが出来ます。インターネットを通じて通信や資料の伝達を行なうことにより、多くのオフショア地域に“現地ヴァーチャルオフイス”を設立することができます。

会社所有と運営に関する課題
オフショアの会社を有効に活用するには、多くの場合実質所有者から独立した形で運営されていることが必要です。その為、実質所有者は下記の事項について慎重に検討しなければなりません。
Q1. 会社の役員(取締役)を誰にするべきか?
A. 通常、オフショア会社は役員によって運営されます。多くのオフショア地域では役員の身元は開示されませんが、会社の業務活動には役員の署名が必要であり、誰であるかは早晩判明してしまいます。他に採りうる方法として、実質所有者の意思を汲んで業務を遂行する役員代行者を任命することができます。適切な保護対策が用意されているのです。
A. 法律面に関していえば、殆どのオフショア地域では、現地設立の会社は現地の会社登記住所と現地居住の代理人が必要です。更に、会社の法務書類を適切に整備し法人登記等の書類保管を確実に行なうためには、会社の秘書(株主総会等の議事の記録・保管に当り日本の通常の秘書より重い職務)が必要です。会社が設立に拠って課せられる支払い等を滞りなく支払い、設立登記が抹消されないためには、これらの職責を遂行するプロフェッショナルな会社秘書を任命されることを強くお勧めいたします。
Q3. 複数の株主を予定されていますか?
A.会社が一名以上の株主を持つ場合は、会社の運営方法や株式処理等を明記した株主の同意書を制定することが望まれます。このような事項に関しては会社の定款に詳しく盛り込まれることが無いからです。当社はこのような同意書作成のお手伝いを致します。
Q4. 株式をどのように保有されますか?
A. このことは、相続等においては重要な検討課題です。仮に株式を個人が保有し、そして亡くなられた場合、多くの国においては不利な課税が行なわれます。名義株主は秘密保持のために実質所有者に代わって株式を保有することが出来ます。
オフショア会社の代表的な活用方法
輸出入関連:オフショア会社は、独立して商取引を行なう場合と、アドバイスや助力の対価としてのコミッション受領等により売買取引の当事者になる場合があります。香港は、現地またはオフショア会社によってある価格で輸入した商品を、インボイス(送り状)を付け替え最終バイヤーにより高い価格で販売する “リインボイシング”の重要なセンターです。
知的財産関連:オフショア会社は、著作権、特許権、または技術ノウハウや知的財産の二次ライセンス供与等の知的財産権売買にも利用できます。このような知的財産が将来更に価値が高まると予測される場合は、その資産をオフショアの企業に帰属させることは望ましいことです。高課税国ではロイヤリテイーが概ね源泉課税に属するため、通常ある程度の対策や租税条約の活用が必要になります。
資産保有関連:オフショアの会社はしばしば資産保有に活用されます。オフショアを利用することの利点としては、キャピタルゲインや相続税からの回避、また資産そのものではなく社内での株式移転によって資産所有の変更ができるため、印紙代や法手数料、また公表を回避できることなどが挙げられます。
船舶関連:船舶の所有やチャーターを目的としてオフショア会社を利用すると、相当な節税が可能であり乗組員や管理規定のコストを削減できます。一定の国々では(なかでもパナマが有名ですが)海事登録が見事に整備され、海運関連の融資家や海運運営者から国際的に認知されています。
保険関連:親会社専用の保険会社を設立することにより、高レベルのリスクを伴うビジネスへの保険料に課せられる税金を相当額節税することができます。余剰リスクは国際市場を通じホールセールレート、プレミアム及び無税投資によって再保険されることが見込まれるからです。
自営業: コンサルタント、作家、スポーツ選手または芸能人などの個人高額所得者は、払込みと雇用契約を目的にオフショア会社を手配します。収入は無税で累積され、当人にとって最も税金面で有利な時点および方法で、コンサルタント料または給与の形式で支払われます。
グループ持株会社:子会社の株式所有や管理及び財務機能の遂行にはキャピタルゲイン税が賦課されない法管轄地域に持株会社を設立することは、多くの場合有益な方法です。
銀行関連:資金洗浄のための違法な銀行利用を阻止するために、オフショアの銀行に対する国際的な監視はかなり厳しくなっています。しかし、十分な資金を保持する適切な申請者のために、限定された認可銀行が多くの地域で設立されています。

オフショアの信託
信託とは指定された一群の人々の利益のために、独立当事者の管理下において資産移転を行なう適切に制定された法的手段です。資産を寄贈する人は設定者、資産の独立管理者は被信託人と呼び、法人、個人の別は問いません。資産を享受する当事者達は(条件に従って)受益者といいます。
信託は、信託を運営する条件および被信託人が行なわなければならない事を詳細に述べた担保信託証書によって設定されます。更に、被信託人は受益者が最高の利益を得る為に細心の注意を払って行動し信託から個人的な利益を得ることがないよう法律によって定められています。
適切に設定・運営されるオフショア信託には下記のような利点があります。
資産保護:信託は設定者の資産に属さなくなる為、破産、離婚もしくは訴訟手続きによって差し押さえを受けることはありません。しかし、設定時に債権者を欺くための手段として信託を利用することは出来ません。
タックス・プラニング:オフショア信託の資産は無税の収入やキャピタルゲインを生み出します。
世代間移譲:信託による資産は遺言検認手続に従うことはなく、相続法を施行している多くの国々において無効にすることが可能です。
秘密の保持:適切な地域で設定されたオフショア信託は、完全に近い秘密保持が可能です。
家族資産の保存:信託によって固定資産を維持し受益者には利益のみを分配する仕組みを構成することができます。(然し、通常信託の期間が無期限であることはありません)
オフショア信託は比較的簡単に設定できますが(一般的に会社設立より費用は高い)、殆どの高課税国はこの点に関して広範な法律制定をしているため、しばしば設定者が考慮しなければならないかなりの税金が課されたり、その他の問題が結果として生じたりします。
多くの設定者は第三者に資産管理を譲渡するという考えを好みません。しかしそこには信託に組み入れることが可能な多くの保障が用意されています。設定者は信託設定と同時に被信託人が従う詳細な要望書を発行する場合もあります。保護者、または共同被信託人を任命することも可能です。設定者が役員を務め日々管理を行なっている会社の株式を信託が保有することもできます。これらの事について、又その他の方法に関してお客様が興味をお持ちの場合、喜んでご相談に応じます。
オフショア信託の地域選択は大変重要です。当社では、満足のいく信託法が制定され、一般的に英国普通法の制度に従う法管轄地域をお勧めしています。当社はお客様の為に信託設定のお手伝いをさせて頂くこともできますし、被信託人や保護者の職務を提供することもできます。また、最良の解決策を導く為にお客様の専門的な顧問の方々と共に仕事をすることも可能です。